分譲地の計画
PROJECTS
分譲地の設計提案のご依頼があり計画をさせて頂きました。計画地はかなり大きく、メインストリートや公園が配置されています。
都市計画法による開発行為に対する法規制があり、思い描く通りに設計することは難しいですが、なるべく公共の空間を大きくとり緑を取り入れた、我々なりにベストと思える形を提案させて頂きました。
経済効率を考え、各分譲地を細かく分割し、建蔽率いっぱいまで住宅を建てることが望ましい時代もありました。最近では分譲宅地をある程度大きくとり、建蔽率に余裕をもたせ、広めの庭を確保するような住宅地も増えてきました。住宅地の雰囲気を総合的に計画し、町全体として住み心地の良い雰囲気を維持することで、長期的に資産価値を保つことができるという事例も増えています。道路を湾曲させたり、緑の遊歩道やフットパス、クルドサックなどを住宅地に取り入れることもそのひとつです。
大量に住宅が余っている日本では、今までのように住宅を30年程度の消費材としてスクラップ・アンド・ビルドし続けるのは経済的にも難しくなりつつあります。古い中古住宅などは資産価値とみなされず、現在は土地だけが評価されています。しかし今後は戸建て住宅自体も資産価値として評価される社会へとシフトしていくでしょう。日本では新築が住宅市場の7割近くにもなりますが、欧米では真逆となっており、住宅市場の7割程度は中古住宅です。人口が減少している日本でも、建てては壊すのフロー型の社会からストック型の社会へと転換が求められます。高気密高断熱といった住宅の高性能化と合わせて、住宅地全体としての資産価値を高めるといった考え方は益々重要になります。