確認申請と用途変更

COLUMN

① 確認申請とは

家を建てる際に、日本全国好き勝手に建てられてはトラブルのもとですよね?

新しく土地を購入して家を建築する際はもちろんですが、先祖代々所有している土地に倉庫やガレージ、蔵などを建築する時にも気を付けることがあります。

どれらくいの高さまで建てて良いのか?(北側斜線や道路斜線・隣地斜線など)

建築面積(土地に対して建築物が占める割合)はどの程度許容されるのか?(建蔽率)、延べ面積(建物全体の面積)の制限はどうなのか?(容積率)

こういった決まりを建築基準法や地域の条例に照らし合わせ、適合しているか否かを審査する事、それが確認申請になります。

確認申請は建築主が市役所や民間の確認審査機関に必要書類や図書、図面を提出して審査されることになっています。

では、既存の建物を有効に利用する「用途変更」についてはどうでしょうか?

確認申請については、建築基準法第6条に記載されています。

簡単にまとめると、建築主が建築(新しく建築物を建てる)や、大規模な修繕、模様替えをしようとする場合、工事前に確認申請を行ってくださいということです。

② 用途変更とは

あれ?つまりですね。新しく建築するわけでもなく、大規模な修繕、つまりリフォーム等も要しない用途変更であれば申請する必要がないということになりそうですね。

昨日まで住宅だった建物がシェアハウスになったり、病院が映画館になったりと、リフォームを伴う工事がなければ自由なわけです。

ということになってはいけませんので、用途変更の場合は6条以外に適用される箇所、チェックしなければならない箇所がございます。

それが建築基準法第87条になります。この法文には用途変更を行おうとする場合、確認申請手続きが必要になるケースが記載されています。

特殊建築物で延べ面積200㎡を超える場合。(※ 2019年に100㎡から200㎡に変更されました)

・用途地域(建てる地域)の制限がある場合

・既存不適格建築物をなくすため(建物全体)

・既存不適格建築物をなくすため(用途変更部分のみ)

おおまかにポイントを述べると上記内容になります。

要するに特殊な建築物である程度の規模に変更する場合や、用途地域的には厳しい場所はしっかりチェックしましょうということです。

住宅をシェアハウスに変更する場合は、使用する人数も異なりますので、避難設備の問題や積載荷重(想定する人や物・家具などの重さ)の違いがありますよね?

そのまま用途変更を何も申請せずに、また検討もせずに使用すると、もしもの時に逃げ遅れたり、床が抜けたりする可能性もでてきます。

ただ類似の用途、例えば劇場から映画館に変更をしようとする場合や、学校から図書館などの変更は同じよう用途で使用されていたので、特に問題ないとして比較的スムーズに、また申請不要ということもあります。(施工令137条等)

なかなか判断がつかない場合は専門家に相談することをお勧めます。

いかがでしたでしょうか?

確認申請は必要なさそうな用途変更ですが、実は建築基準法のあちこちに該当するケースが記載されています。

簡単にまとめると、現在使用している用途より、建物的に不利な条件が発生する場合や使用する人が危険になる可能性がある際には、申請が必要になるということです。

しっかり確認して不備の無いように、また安全に使用できるように用途変更は計画しましょう。