用途変更における構造検討について

COLUMN

昨今、街中のテナントでよく見かける居抜き物件や、住宅を貸し事務所にして

事業を始めるという話を頻繁に聞くようになりました。

初期経費を比較的抑えることができ、国や行政でも建て直しにかかる費用や廃棄物に伴う環境問題の観点からも推進されています。

今回は用途変更をされる場合に、建物の構造計算等について規定されている「建築基準法第20条」は適用されるのか?ということを簡単に説明させて頂きます。

用途変更をする際は、下記の3点が主に必要になります。

・確認申請時の申請書一式(構造計算を提出している場合は含む)

・確認済証(申請許可時に審査機関や役所から発行されたもの)

・検査済証(完了検査合格時に発行されたもの)

これらの書類がない場合は、当時の資料と用途変更時に検討すべき内容が

判断できないため、少し複雑になります。

構造検討は不要?

用途変更を行う際の法令は「建築基準法第87条」の「第3項」に記載されていますが、そちらの条文には構造に関する規定が載っていません。

つまり、第20条の構造検討は当てはまらないのです。

ただ、建物の安全性を確かめる上では構造検討はとても重要なものになります。

例えば、最初に述べました住宅を貸し事務所に用途変更する場合ですが、基準法上では積載荷重が違うのです。簡単に言うと考慮すべき1㎡あたりの重さが違います。

普通に人が生活するよりも事務所のほうが重いのはピンときますよね。

パソコンやロッカー、大型のプリンターなどを置きますし、打ち合わせ時に人が集まったりします。

人が集まる集会場も考慮すべき積載荷重は重いですし、倉庫や車庫も重い部類に入ります。

つまり申請時や現状の用途よりも検討すべき荷重が重くなり、地震時における揺れが、増幅する場合は、構造の検討が倫理的にも現実的にも必要ということです。

この危険になるのか?といった項目の判断がとても難しく、基本的には「構造計算」しか確かめる方法がありません。

しかしながら木造2階建ての住宅や、平屋の大きな施設などは構造計算していない物件も多々あります。

そういった場合は、確認申請時の用途を調べることにより、検討すべき積載荷重などが判断できるため、対処可能ということになります。

建築は生命の安全を守る必要があります。

用途変更で環境問題の解決や、居抜き物件での初期投資の節約で経済をまわすことはもちろんなのですが、当たり前である「構造検討」は、やはり必要ということです。

いかがでしたでしょうか?

簡単になりますが以上が用途変更時における構造検討の必要性についてです。

ちなみにですが古い物件や現行の基準法とあまりにかけ離れた建物は用途変更自体が厳しいこともあります。

心配な場合は事前に専門家に相談し、建物を調査し、行政に確認することをお勧めします。